continuous glucose monitoring(CGM)市場、2030年までに3兆円規模へ - 非糖尿病ユーザーが成長を牽引
市場調査会社Grand View Researchの最新レポートによると、continuous glucose monitoring(持続血糖測定、CGM)デバイスの世界市場は2030年までに3兆円規模に達する見込みだ。注目すべきは、成長の約60%が糖尿病患者以外のヘルスケア志向の一般ユーザーによってもたらされる点である。
CGMデバイスは、皮下に挿入した極小センサーによって血糖値を5分ごとに自動測定し、スマートフォンアプリでリアルタイム表示する技術だ。従来は1型糖尿病患者の血糖管理ツールとして医療用途に限定されていたが、近年はアスリートやビジネスパーソン、ダイエット志向の一般消費者の間で急速に普及している。
米国のスタートアップ企業Levels Healthは、CGMデータをAIで分析し、個人に最適化された食事と運動のアドバイスを提供するサブスクリプションサービスを展開している。同社のCEO、Sam Corbinによれば「血糖値の変動パターンを可視化することで、ユーザーは自分の体に合った食事や運動を科学的に理解できる。体重管理やパフォーマンス向上に劇的な効果がある」という。
日本市場でも動きが活発化している。Abbottの「FreeStyle Libre」やDexcomの「G7」といった主要製品が一般向けにも販売開始され、フィットネスジムやパーソナルトレーニングジムでCGMを活用したプログラムが増加している。
アナリストは「CGMは単なる医療機器から、パーソナライズド栄養とメタボリックヘルスの中核技術へと進化している。今後5年間で市場は爆発的に成長するだろう」と予測している。ただし、プライバシー保護や医療データの取り扱いに関する規制整備が課題として残されている。